ギブ・ミー・チョコレート

どうも。参四郎です。

現在勤めている有料老人ホームには90代の方が数名います。太平洋戦争が終わったのが1945年。ってことは90代の方は終戦当時10代後半~20代前半だった訳で、結構その当時のことをしっかり記憶されてたりするんですよね。で、その当時の話をしてくれることがあって大変興味深い訳です。

私がイメージする終戦直後の風景って「空手バカ一代」で描写されてるような世界なんですよね。大人は腹を空かせないようにトボトボと力なく歩き、子供たちは「チョコレートおくれよ!」なんて言いながらアメリカ兵の乗った車を追いかける。アメリカ兵の吐き出したガムを奪い合うように拾い口に入れる。若い女性はアメリカ兵に乱暴されそうになって、悲鳴を上げても周りの日本人は知らん顔。うん。そんなイメージ。
一応説明しておくと、「空手バカ一代」っていうのは梶原一騎原作の漫画作品。極真空手の創始者、大山倍達の自伝的な内容です。ウソかホントかは別として、読み物として結構面白いので興味のある方は読んでみて下さいね。

で、先日勤務先の有料老人ホームの90代の女性が終戦直後のことを話してくれたんですね。彼女は終戦当時、鹿児島県鹿屋市の学校の宿舎にいたそうなんですけど、鹿屋の街はアメリカ兵が一杯いたそうです。

私「アメリカ兵は怖かったですか?」
90代女性「優しかったよ!」
私「チョコレートとか貰いました?」
90代女性「うん、私は要らないって言ったのよ、そしたらアメリカの兵隊さんは自分でチョコレートを食べて見せたの、大丈夫って」

「知らない人に物を貰ってはダメ!」とか「知らない人について行ってはダメ!」っていうのは基本ですからね。ましてや相手はアメリカ人。戦時中は「鬼畜米英!」って感じで教育されてたでしょうし。でも実際に会ってみると優しかった訳ね。まあ粗暴なふるまいをするアメリカ兵も確かにいたんでしょうけど、全てそうって訳じゃないわな。アメリカ兵が裸の日本人の子供に水を飲ませてる写真なんかも見たことがあるな。

凶暴な奴もいれば優しい奴もいる。ただそれだけですよね。いつの時代も。

それではまた。


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